日本人講師のワンポイント【誘いを断る時の丁寧な言い方】

日本人講師のワンポイント【誘いを断る時の丁寧な言い方】

2021年10月21日 10時00分

日本人講師のワンポイントレッスンでは、外国人講師にはなかなか聞くことが難しい英文法や英語学習の質問について解説していきます。
解説を担当するのは産経オンライン英会話Plusでレッスンを提供中の日本人講師です!
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https://human.sankei.co.jp/ourtutors/japanese/

本日の質問

ビジネス英会話(English Business Conversation) B1 Lesson78
イベントの出席について聞かれてI won’t be able to make it.「行けそうにありません」と答えるフレーズがあります。
can’t ではなく未来形のwon’t be able toで答えているのはなぜですか?

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解説

canbe able toはどちらも、現在形で用いた場合には、今現在の能力や状況が許すかどうか、という意味で「できる」「可能である」という表現になります。しいて言えば、be able toのほうが「能力」に焦点を当てているニュアンスになったり、少しフォーマルな印象にもなるという違いがありますが、基本的には同じ意味です。
これが未来のことを話すとなると、現時点での能力を表すbe able toは使わず、canは使える場合と使えない場合がでてきます。能力的に将来できるようになる、という場合では、I will be able to read this book in English one year from now. 「1年後にはこの本を英語で読めるようになっているでしょう」のように、canではなくwill be able toを使うことになります。1年後という未来の視点においてその時の自分の能力を想定しているイメージです。I can read this book in English one year from now. とすると、能力ではなく条件として、今は読むことを許されていないけれど1年後には読むことができる、という状態に今現在あるものである、というニュアンスになります。

今回の例は、Are you ready for the upcoming event on Thursday?と、「木曜のイベントに行く準備はできてる?」とイベントを楽しみにしているトーンで話しかけられ、急な都合で「行けなくなってしまった」と答えるシチュエーションです。make it 「実現できる」というニュアンスの言葉を使い、さらにcan’t と今現在での否定ではなくI won’t be able to make it.と未来の時点に視点を置いて「当日はそれがかなわない見通しだ」という伝え方をすることで、「今の気持ちとしては行きたい」という含みもあり、当日行けないことが残念、あるいは申し訳ない、という印象になります。友だちからのカジュアルな誘いに対してであればSorry, I can’t make it.でも自然ですが、上司からの誘いや仕事相手と会う予定などを話している時は、何かしら事情があってやむを得ず断っているように伝わるI won’t be able to make it.としたほうがより良いでしょう。

本日の講師

Tomoko先生

こんにちは!ともこです。カナダのバンクーバーに10年以上住んでいたことがある英語教師&医療通訳者で、旅行通訳やビジネス通訳などもおこなっています。実際の生活の中で話す「生きた英語」を身に着けていただけるよう、情熱を持ってお教えしています。
自らもまったくゼロの状態から英語を学んだ経験から、英語の習得がどれだけ大変か、しかし一方でどれほど楽しいかも、よくわかっています。英語学習のゴールにたどり着くお手伝いをぜひさせてください!
お会いできるのを楽しみにしています。