日本人講師のワンポイント【”Why did you come to Japan?”は失礼!?】

日本人講師のワンポイント【”Why did you come to Japan?”は失礼!?】

2021年07月15日 10時00分

日本人講師のワンポイントレッスンでは、外国人講師にはなかなか聞くことが難しい英文法や英語学習の質問について解説していきます。
解説を担当するのは産経オンライン英会話Plusでレッスンを提供中の日本人講師です!

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本日の質問

ビジネス英会話(English Business Conversation) Business B1 Lesson26
How could that happen?「なんだってそんなことに?」という表現がありますが、なぜWhy did that happen?ではなくHow could ~?という文になるのでしょうか?

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解説

日本語で「なぜ」「どうして」という疑問文を考えた場合、英語に訳すると”Why“を真っ先に思い浮かべるものですが、実は英語では、HowWhatを使って「なぜ」「どうして」を言い表すことがよくあります。
Howには「どんなふうに」「どのように」という意味があります。このうち「どのように」という意味でのHowを使ってHow did that happen?とすると、「どのようにして/どのような経緯でそれが起こったんだ?」という聞き方になります。
Whyは、より直接的な「理由」「根本的な原因」尋ねる時に多く使い、Howはある出来事が起こった時や、人の感情に変化があったりした場合に、何がどうなって結果そのようになったのか、という経緯を聞く意味での「どうして?」という質問によく用いられます。何かを言い当てられて「なんでわかるの?」と言いたい時も、Why do you know?ではなく、How do you know?と、「どうしてそれを知るに至ったか」と聞くのが自然です。

さらに、How did that happen?のdidを「可能性としてとても低いけどあり得る」というニュアンスのcouldに変えることで、「一体どうしてそんなことが起こり得るんだ?」という、想定していなかったことが起こったことへの驚きを表すことができます。

ちなみに、Whyはかなり直接的に厳密に「なぜ」という「理由」にフォーカスするので、場合によっては問いただしているような印象になる場合があります。日本を訪れている旅行者に「どうして日本に来たんですか?」と聞きたい時、Why did you come to Japan?と聞くのは、実は大変失礼です。この場合はWhatを使い、What brings/brought you to Japan?と、「何があなたを日本へ運んだの?」=「どうして日本に来たの?」という表現のほうが好ましくなります。

本日の講師

Tomoko先生

こんにちは!ともこです。カナダのバンクーバーに10年以上住んでいたことがある英語教師&医療通訳者で、旅行通訳やビジネス通訳などもおこなっています。実際の生活の中で話す「生きた英語」を身に着けていただけるよう、情熱を持ってお教えしています。
自らもまったくゼロの状態から英語を学んだ経験から、英語の習得がどれだけ大変か、しかし一方でどれほど楽しいかも、よくわかっています。英語学習のゴールにたどり着くお手伝いをぜひさせてください!
お会いできるのを楽しみにしています。