日本人講師のワンポイント【「まだ」以外のstill】

日本人講師のワンポイント【「まだ」以外のstill】

2021年05月27日 10時00分

日本人講師のワンポイントレッスンでは、外国人講師にはなかなか聞くことが難しい英文法や英語学習の質問について解説していきます。
解説を担当するのは産経オンライン英会話Plusでレッスンを提供中の日本人講師です!

日本人講師のご紹介はこちら
https://human.sankei.co.jp/ourtutors/japanese/

本日の質問

English Daily Conversation (General) B1 Lesson20

Even though the weather was terrible, we still enjoyed the trip.の訳は「天気はひどかったけど、旅行を楽しんだよ」となっていますが、ここでのstillはbutと同じ意味ですか?

日常英会話教材はこちら
https://human.sankei.co.jp/textbook/daily-conversation/b1/

解説

stillには、よく知られてる「まだ」という意味の他に、形容詞として「じっとした」「静かな」「(水などに)炭酸が入っていない」という意味、そして今回のセンテンスで使われている「それでもなお」「やっぱり」「~にもかかわらず」という意味もあります。

基本的にはある物事の状態が変わらないままでいる「まだ」と同じ意味ではありますが、日本語では「まだ」というのは、「時間が経過しても状態や行動などが変化しない」という意味で使うことが多いので、今回のセンテンスでのstillの役割に気付きにくいところです。

実は日本語でも、同じ意味の「まだ」を使っています。ある出来事が起こった、あるいは明らかになってもなお、物事の状態や人の行動・感情などがその前と同じである、という場合に「(それでも)まだ」と言うことがありますね。英語のstillも役割としてはまったく同じです。
しかし日本語だと「まだ」よりも、「それでも」「やっぱり」という言葉を選びたいシチュエーションでも、英語ではstillは使われ、今回の例のように、期待や予想されていたことがある出来事や条件によっても「変えられることがない」という場合には特によく使われます。

例文のようなeven though、または同じ意味のalthough、despite、regardless of 、butなどの接続詞と一緒に使うことが多く、stillがなくても文は成り立ちます。ところが、stillはあくまでも、動詞や形容詞を少しだけ強調する副詞として文の中で機能するので、逆にこれらの接続詞なしにstillだけで、The weather was terrible, we still enjoyed the trip.と一つの文にすることは、基本的にはできません。

本日の講師

Tomoko 先生

こんにちは!ともこです。カナダのバンクーバーに10年以上住んでいたことがある英語教師&医療通訳者で、旅行通訳やビジネス通訳などもおこなっています。実際の生活の中で話す「生きた英語」を身に着けていただけるよう、情熱を持ってお教えしています。
自らもまったくゼロの状態から英語を学んだ経験から、英語の習得がどれだけ大変か、しかし一方でどれほど楽しいかも、よくわかっています。英語学習のゴールにたどり着くお手伝いをぜひさせてください!
お会いできるのを楽しみにしています。