キャビンアテンダント(CA)に必要な英語力とは?

キャビンアテンダント(CA)に必要な英語力とは?

キャビンアテンダント(CA)として働く際には英語力が求められますが、英語力と言っても、どのくらいのレベルの英語力が必要になるのでしょうか。キャビンアテンダントを目指している方にとっては現実問題として気になる、キャビンアテンダントに求められる英語力についてお伝えします。

「キャビンアテンダント」という言葉は海外では使われない

ところでご質問しますが、冒頭の文章を読んで違和感を抱いた方はいますか?そうです、このキャビンアテンダントという呼び方についてです。日本ではキャビンアテンダント、あるいは略してCA(シーエー)という名称が一般的です。この名称は国内大手の航空会社が使い始めたことで広がりました。現在では日本人の多くがこのキャビンアテンダントという名称を使っています。

どうしてキャビンアテンダントに違和感を抱くのかと言うと、海外では通じないことが多いからです。英語にするとCabin Attendantとなり、いかにも外国の方が使っている英語のように感じます。和製英語ではないものの、グローバルスタンダードではなく、キャビンアテンダントと言ってもすぐに理解してくれることは稀でしょう。英語力が求められるキャビンアテンダントだからこそ、知っておきたい知識です。

客室乗務員は英語ではどう表現する?

客室乗務員は英語で、Flight Attendant(フライトアテンダント)やCabin Crew(キャビンクルー)と表現され、フライトアテンダントと呼ぶか、キャビンクルーと呼ぶかは航空会社によって異なりますが、いずれの言葉も外国の方にも通じます。

客室乗務員をスチュワーデスと呼ぶのは間違い?

昔は女性の客室乗務員をStewardess(スチュワーデス)と呼んでいました。それに対して男性の客室乗務員がSteward(スチュワード)で、「スチュワード・スチュワーデス」が客室乗務員を指していました。しかし、この名称は現在ではすでに使われていません。使われなくなった理由には諸説ありますが、性別によって呼び名が変わるのが差別的という認識が広まったからだと考えられます。その代わりの言葉として、世界的には「フライトアテンダント」や「キャビンクルー」が、日本では「キャビンアテンダント」が広まりました。スチュワーデスと呼ぶのは間違いではありませんが、差別的表現だと思われる可能性もあるため、避けるに越したことはありません。

キャビンアテンダントになるための英語力とは?

キャビンアテンダントとして働くには、航空会社の採用試験を受ける必要があり、見事採用されたら航空会社の一員となって様々な研修を受け、同社の飛行機内でお客様のサポートをすることが可能となります。

航空会社の採用試験に応募するのに、英語資格が必要になります。
キャビンアテンダントの仕事では外国人と接する機会があり、また全世界で共通の航空用語も英語を使用しているため、英語力に関しても条件があるのです。英語のレベル・基準に関しては航空会社によって異なりますので、実際に応募する際には各航空会社の採用情報を確認してください。

あくまで目安とはなりますが、 TOEIC® L&R TEST のスコアでおおよそ550点~650点程度または同程度の英語力が必要になります。

ただ、航空会社の応募資格をよく見ると「 TOEIC® TEST 600点以上、または同程度の英語力を有する方」などと書かれています。この「同程度の英語力」、疑問に思いませんか?

「 TOEIC® TEST 600点」は他の英語試験でどのくらい?

他の英語試験でどのくらいになるのかについてはCEFR(セファール)を使えば知ることができます。CEFRとは、英語試験の国際標準規格のことで、 TOEIC® TEST のスコアは、他の英語試験でどのくらいになるかを知ることができます。

CEFRでは英語力の高い順に「C2・C1・B2・B1・A2・A1」の6段階で評価されているのですが、 TOEIC® TEST 600点はB1に位置します。ちなみに TOEIC® TEST の場合には、 TOEIC® L&R TEST と TOEIC® S&W TESTS を合算したスコアとなります。そのため、 TOEIC® L&R TEST で600点の場合には、1200点の個所目安として見ると良いでしょう。

各資格・検定試験とCEFRとの対照表

出典:文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表

CEFRでB1となっているところを横に見ていくと、以下のスコア・級が該当します。

  • ケンブリッジ英語検定:140~159
  • 英検®:2級
  • GTECⓇ:960~1189
  • IELTS:4.0~5.0
  • TEAP®:225~308
  • TEAP CBT®:420~595
  • TOEFL®TEST:42~71

採用試験には英語の試験や英語での面接を実施する場合がある

先ほどお伝えした英語のスコア・級は、採用試験に応募する条件として最低限必要なレベルです。この条件を満たしたうえで、書類審査や面接などを行ってふるいにかけられます。その際には英語の試験があったり、英語で面接を行ったりすることがあります。

応募条件では必要となるのは TOEIC® L&R TEST のスコアで、TOEIC® TEST のリスニングとリーディングのテストに特化した勉強をすれば良いのですが、採用試験を見据えた場合には、英語面接に特化したリスニングやスピーキングの対策も必要となるでしょう。

外資系航空会社の採用試験は基本的に英語で行う

航空会社の中には、日系の航空会社の他に、外資系の航空会社があります。外資系の会社とは、主に日本にある海外企業のことです。日本では外資系の企業が多数あり、航空会社においても例外ではありません。

こうした外資系の航空会社の採用試験は基本的に英語で行われます。英語で面接を受ける必要がありますので、事前に対策をしていきましょう。

英語面接に関してはこちらの「英語面接の対策!よく聞かれる質問と回答は?」もご参照ください。

キャビンアテンダントとして実際に働くにはリスニング力とスピーキング力が必要

正直なところ TOEIC® L&R TEST で800点、900点と高得点を取っていても、外国の方と話せるとは限りません。しかし、キャビンアテンダントは乗務に当たって外国の方とコミュニケーションを取る英語力が必要になります。キャビンアテンダントは食事や飲み物を提供したり、お客様の困ったことを解決したりと、様々な面でサポートをします。外国の方には英語でやり取りをすることになるのですが、やり取りの際にはリスニング力やスピーキング力の他にも、相づちの打ち方、表情やジェスチャーなども必要になります。こうしたコミュニケーションのスキルは英会話を繰り返していくことで、経験的に学んでいくことができます。

また、緊急時には特に、キャビンアテンダントの英語力が問われます。万が一のことが起こったとき、機内のお客様は不安な気持ちになりますので、その際、状況を伝えるなどしてお客様を安心させるのもキャビンアテンダントの仕事となります。間違った内容が伝わってしまえば、パニックになりかねません。そのため、自分の考えていることを正確に英語で伝える能力が求められます。

英会話スクールやオンライン英会話を活用して継続的に英会話の練習をしよう

先にもお伝えしたように、外国の方と実際にコミュニケーションを取る際には、表情やリアクション、相づちの打ち方も重要ですし、話すときは適度にジェスチャーを使うことも大切です。このように英語試験で測るリスニング力やスピーキング力の他にも必要となるスキルがあるのです。コミュニケーションのスキルに関しては、英会話を繰り返して行っていくことで身につけられ、リスニングやスピーキングはもちろんのこと、その他のスキルに関しても外国の方がどのように話をして、どのように聞いているのかを見ることで学んでいくことができるでしょう。

日頃から継続して英語圏の外国の方と英会話をすることが、スキルアップの近道となります。周りに外国の方がいない方、いるけれど話せない方は、英会話スクールやオンライン英会話を活用しましょう。英会話スクールの良さは、物理的に講師と対面してレッスンを行うことですが、オンライン英会話の場合には、どの場所からでもレッスンを受けられることや、費用が安いことなどがメリットとなります。オンライン英会話の場合は教室がなく、受講生がどこにいてもレッスンを受けられますし、教室という物理的な設備を持たない分、費用を安くできています。継続して英会話をすることを考えると、費用の安いオンライン英会話には大きなメリットがあると言えそうです。


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*L&R means LISTENING AND READING.
*S&W means SPEAKING AND WRITING.
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