英検®ライティング対策のコツ【1級・準1級・2級・準2級・3級】

英検®ライティング対策のコツ【1級・準1級・2級・準2級・3級】

英検®は「聞く・読む・書く・話す」の4つの技能を測定する英語の資格試験です。「話す」に関しては別日に試験が用意されており、その他の「聞く・読む・書く」の3技能に関しては一次試験で能力を測ります。今回は英検®の中でも、ライティングの対策に焦点を当てて見ていきます。検定級ごとに試験概要や対策をご紹介しますので、受験をお考えの級の内容をご確認ください。

英検®のライティングについて

英検®におけるライティングのテストの対象となるのは1級から3級の受験者となります。一次試験で問われるのはリスニング・リーディング・ライティングの3つの技能。リスニングは放送を聞いてそれに答える形式のものですので、別途時間が決められているものの、リーディングとライティングに関しては制限時間のうちに時間配分を自分で考えて行う必要があります。

ライティングを捨てると合格できない?

ライティングは1問しかないため、もしかしたら「ライティングを捨ててリーディングやリスニングに力を入れて勉強しよう」と考える人がいるかもしれません。

しかし、要注意です。ライティングを捨てた場合には合格率がぐっと落ちます。
というのも、英検の合否判定はCSEスコアベースで行われているからです。

英検CSEスコアとは?

生涯に渡って英語力の伸びを見ることができるようにCEFRと関連性を持たせたユニバーサルなスコア尺度として開発したものです。
英検の一次試験ではリーディング・リスニング・ライティングが出題されますが、問題数が異なります。問題数が少ないライティングは軽視されがちですが、技能ごとのスコアを均等にしているため、問題数が少なくなるほど、1問正解した時のスコアの影響力が大きくなります。
こうした理由があるため、ライティングスキルも英検合格には欠かせません。

参照:日本英語検定協会「英検CSEスコアとは

英検®3級のライティングの試験概要と対策

英検®3級には2017年度第1回の試験からライティングテストが導入されました。問題に関する詳細な情報は以下の通りです。

測定技能 形式・課題 形式・課題詳細 問題数 問題文の種類 解答形式
リーディング 短文の語句
空所補充
文脈に合う適切な語句を補う。 15 短文
会話文
4肢選択
(選択肢印刷)
会話文の文
空所補充
会話文の空所に適切な文や語句を補う。 5 会話文
長文の内容
一致選択
パッセージの内容に関する質問に答える。 10 掲示・案内、Eメール(手紙文)
説明文
ライティング 英作文 質問に対する回答を英文で書く。 1 (英作文なので問題文はない) 記述式
リスニング 会話の応答文選択 会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う。
(放送回数1回、補助イラスト付き)
10 会話文 3肢選択
(選択肢読み上げ)
会話の内容
一致選択
会話の内容に関する質問に答える。
(放送回数2回)
10 4肢選択
(選択肢印刷)
文の内容
一致選択
短いパッセージの内容に関する質問に答える。
(放送回数2回)
10 物語文
説明文

出典:日本英語検定協会「3級の試験内容

対策1:まずYesかNoかを答える

聞かれたことに対して解答することが大切になります。今回の場合には、「あなたは家族のために料理をするのが好きですか?」という質問ですから「好き」なのか「嫌い」なのかを聞かれています。家族のために料理をするのが好きならYes、料理自体好きではない・自分のために料理するのは好きだけど家族のために料理するのは好きでない等の場合にはNoとします。

また、結論を書くときにYesかNoかだけでなく、聞かれた内容を繰り返して書くと良いでしょう。例えば、Yes, I like cooking for my family. と答えます。対策2でも紹介しますが、解答には目安となる語数が決められており、解答語数が足りない場合の対策として文章を長くする方法があります。単純にYesかNoか答えるだけでなく、質問を繰り返すことで語数を増やすことができます。

対策2:語数を増やすなら「誰と」、「どこで」などの補足情報を追加する

解答には目安となる語数が決まっています。3級の場合には25語~35語です。解答していて目安の語数に満たない場合には、文章を長くしていく必要があるのですが、その際には「誰と」、「どこで」などの補足情報を追加していきましょう。例えば、I like cooking with my sister.のように「姉(妹)と一緒に」等の情報を付け加えれば3語増やすことができます。

補足情報として使えそうな英単語についてはスペルを間違えないよう、しっかりと暗記しておきましょう。例えば、FriendsやWednesdayなどは補足情報として使えますが、スペルミスをしやすいので注意が必要です。

英検®準2級のライティングの試験概要と対策

英検®準2級も、3級と同様に2017年度第1回の試験からライティングテストが導入されています。問題に関する詳細な情報は以下の通りです。

測定技能 形式・課題 形式・課題詳細 問題数 問題文の種類 解答形式
リーディング 短文の語句
空所補充
文脈に合う適切な語句を補う。 20 短文
会話文
4肢選択
(選択肢印刷)
会話文の文
空所補充
会話文の空所に適切な文や語句を補う。 5 会話文
長文の語句
空所補充
パッセージの空所に文脈に合う適切な語句を補う。 5 物語文
説明文
長文の内容
一致選択
パッセージの内容に関する質問に答える。 7 Eメール
説明文
ライティング 英作文 質問に対する回答を英文で書く。 1 (英作文なので問題文はない) 記述式
リスニング 会話の応答文選択 会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う。(放送回数1回) 10 会話文 3肢選択
(選択肢印刷)
会話の内容
一致選択
会話の内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
10 4肢選択
(選択肢印刷)
文の内容
一致選択
短いパッセージの内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
10 物語文
説明文

出典:日本英語検定協会「準2級の試験内容

対策1:立場を明らかにしたうえで質問に答える

質問の意図に適した解答になっているかが重要なポイントです。準2級の過去問として挙げたものを見ると、「あなたはテレビを視聴することは、子どもにとって良いことだと思いますか?」という問いとなっていますから、「良いことだと思う」のか「悪いことだと思う」のかと、はっきりと主張する必要があります。質問の意図に不適合な解答というのは例えば「テレビを視聴することは人生を豊かにする」ですとか「子どもは勉強をすべきだ」といった内容です。「①子どもはテレビを視聴すべきでない。②テレビ視聴で勉強する時間が少なくなってしまう。③子どもは勉強すべき。」①の主張を支えるための文章として②と③を設けるのは良いでしょう。しかし、①の主張を書かずに②と③だけ書いたのでは質問の意図に適した解答になっていません。

また、「どちらとも言えない」という意見もあり、理由を論理的に説明できるのであれば問題ないのですが、あまりおすすめできません。「どちらとも言えない」ことの理由を論理的に伝えるのは、「良いことだと思う」、「悪いことだと思う」という意見を伝えるよりも難しいからです。ライティングのテストにおいては、どちらかに意見を決めて解答するようにしましょう。

対策2:時間配分を決めて練習する

英検®のライティングテストは、リーディングと同じ時間内で答える必要があります。リーディングが得意な場合には、ライティングに時間をかけることができますが、逆の場合には短時間でリーディングを仕上げなければなりません。いずれにしても決められた時間内で解く能力も必要になります。そのため、試験の勉強をする際には時間配分に関しても意識的に練習しておきましょう。準2級はリーディングとライティングで75分です。ライティングにかける時間の目安としては20分程度でしょう。過去問を解く際には20分でストップウォッチを設定して解いてみてください。

英検®2級のライティングの試験概要と対策

英検®2級には、2016年度からライティングのテストが導入されました。

測定技能 形式・課題 形式・課題詳細 問題数 問題文の種類 解答形式
リーディング 短文の語句
空所補充
文脈に合う適切な語句を補う。 20 短文
会話文
4肢選択
(選択肢印刷)
長文の語句
空所補充
パッセージの空所に文脈に合う適切な語句を補う。 6 説明文
長文の内容
一致選択
パッセージの内容に関する質問に答える。 12 Eメール
説明文
ライティング 英作文 指定されたトピックについての英作文を書く。 1 (英作文なので問題文はない) 記述式
リスニング 会話の内容
一致選択
会話の内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
15 会話文 4肢選択
(選択肢印刷)
文の内容
一致選択
パッセージの内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
15 物語文
説明文

出典:日本英語検定協会「2級の試験内容

対策1:PREP法で解答する

PREP法とは、英作文やスピーチの際に使える、以下のような型のことです。
P(Point) :主張
R(Reason) :理由
E(Example) :具体例
P(Point) :再主張

まず結論・主張から書きます。その理由を述べて、理由を支える具体例を付け加えます。設問では理由を2つとしているので、厳密には「P → R① → E① → R② → E② → P」という流れで文章を作成します。練習の段階では、この型に即して答えるようにしてください。

対策2:2級のライティングは25分を目安に解く

英検®はリーディングとライティングの試験時間が分けられていないため、2級の場合には85分の間にリーディングの問題もライティングの問題も解くことになります。時間配分は個人で決めて良いものの、短い時間で解けるに越したことはありません。リーディングが得意だからライティングに時間をかけられる、もしくはリーディングが苦手だからライティングの時間は短めにしたい等あると思いますが、2級のライティングの場合には25分を目安にすると良いでしょう。

英検®準1級のライティングの試験概要と対策

英検®準1級のライティング試験に関しては以下の通りです。

測定技能 形式・課題 形式・課題詳細 問題数 問題文の種類 解答形式
リーディング 短文の語句
空所補充
文脈に合う適切な語句を補う。 25 短文
会話文
4肢選択
(選択肢印刷)
長文の語句
空所補充
パッセージの空所に文脈に合う適切な語句を補う。 6 説明文
評論文など
長文の内容
一致選択
パッセージの内容に関する質問に答える。 10
ライティング 英作文 指定されたトピックについての英作文を書く。 1 (英作文なので問題文はない) 記述式
リスニング 会話の内容
一致選択
会話の内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
12 会話文 4肢選択
(選択肢印刷)
文の内容
一致選択
パッセージの内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
12 説明文など
Real-Life形式の内容
一致選択
Real-Life 形式の放送内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
5 アナウンスなど

出典:日本英語検定協会「準1級の試験内容

対策1:3級の5倍の文章量を書くための語彙力をつける

準1級の場合には、とにかくボキャブラリーが大切です。ライティングのテクニックとして、自分が言いたいことがあっても文字に起こせないのであれば他の言い回しに変えたり、主張自体を変えたりする方法があります。しかし、準1級ではPOINTSとして挙げられている4つのうちから2つを選び、その観点から解答を考えていかなければなりません。問題の傾向として縛りがあるにもかかわらず、語彙力が不足していると、さらに縛りが強くなってしまい、結果として問題の難易度が高くなってしまいます。そこで、語彙力を増やすことがポイントとなります。考えたことを言語化できる能力をつけておくことによって、言い回しを変えたり主張を変えたりするのにかかる時間を削減できます。

また、準1級の場合には目安となる解答語数が120語~150語となります。3級の解答語数の目安は25語~35語ですから、比較するとかなり長文を書く必要があることが分かります。長文を書くためには、語彙力が必要です。英単語帳で体系的に覚えたり、過去問や参考書で知らない単語が出たときに覚えたりしてボキャブラリーを増やしていきましょう。

対策2:PREP法というライティングの書き方を覚えておく

PREP法に関しては2級の対策として記載していますが簡単に説明すると、最初に主張・結論を書いて、その理由と具体例を述べ、最後に再び主張を繰り返す書き方のことです。その型を覚えるとともに書くときに良く使う表現を覚えておけばライティングの文章を考える時間を短くできるでしょう。

ライティングの試験対策をしていく中で、使える表現や単語を発見することもありますから、その都度覚えていきましょう。

英検®1級のライティングの試験概要と対策

英検®1級のライティング試験に関しては以下の通りです。

測定技能 形式・課題 形式・課題詳細 問題数 問題文の種類 解答形式
リーディング 短文の語句
空所補充
文脈に合う適切な語句を補う。 25 短文
会話文
4肢選択
(選択肢印刷)
長文の語句
空所補充
パッセージの空所に文脈に合う適切な語句を補う。 6 説明文
評論文など
長文の内容
一致選択
パッセージの内容に関する質問に答える。 10
ライティング 英作文 指定されたトピックについての英作文を書く。 1 (英作文なので問題文はない) 記述式
リスニング 会話の内容
一致選択
会話の内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
10 会話文 4肢選択
(選択肢印刷)
文の内容
一致選択
パッセージの内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
10 説明文など
Real-Life形式の内容
一致選択
Real-Life 形式の放送内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
5 アナウンスなど
インタビューの内容
一致選択
インタビューの内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
2 インタビュー

出典:日本英語検定協会「1級の試験内容

対策1:準1級の2倍の文章量を書くための語彙力をつける

準1級の対策でも語彙力を増やすことをお伝えしましたが、1級の場合には200語~240語の記述が必要となりますから、なおさら語彙力が求められます。また、準1級~3級の問題では解答する理由は2つでしたが、1級のライティング問題は理由を3つ書かなくてはなりません。解答したい理由が思い浮かんでも英単語が書けずに、他の案を探すことがあるかと思いますが、その分だけ時間がかかってしまいます。特に理由を3つ書かなくてはならない1級ではなおさらです。他の箇所を解くのに時間を残すためにも、ライティングで使える英単語を増やしていきましょう。

対策2:ニュースや時事にも注目する

1級のライティング問題は、内容に関しても難易度が高くなります。先に紹介した内容ではエネルギー問題に対するあなたの意見が問われています。英語ができるだけでなく、社会問題などに関しても知識を増やす必要があるのです。ニュースを見て社会問題について把握し、自分の意見を考えておくとともに、それを英語で表現できるようにしておきましょう。

総じて押さえておくべきこと

どの級においても以下4つの観点から採点が行われます。

  • 内容
  • 構成
  • 語彙
  • 文法

そこで、以下には英検ライティングで押さえておくべき点をご紹介します。

定型の構成で答える

定型の構成に当てはめて答えることで、得点を得やすくなります。

PREP法

  • P(Point)   :主張
  • R(Reason) :理由
  • E(Example):具体例
  • P(Point)   :再主張

級が上になるに連れ、解答の目安となる語数が多くなります。上記の構成をもとに、理由や具体例を詳細に書くことで、語数を増やしましょう。

定型表現を使う

上記の構成で伝える際に役立つ表現があります。定型の構成や表現はすぐに思い出せるように、繰り返し使って覚えておきましょう。

定型表現の例

  • I think that ~.(私は~だと思います)
  • I have two reasons.(2つの理由があります)
  • In my opinion,(私の意見は)
  • First of all,(最初に)
  • To begin with,(最初に)
  • First,(最初に)
  • Second,(次に)
  • For example,(例えば)
  • Also,(加えて)
  • Therefore,(したがって)
  • That’s why(これらの理由から)

英単語が浮かばない場合は別の単語に置き換える

英単語が浮かばない場合、思い出せたとしても時間がかかってしまうでしょう。その場合には言い回しを変更したり、表現を変えたりすることをおすすめします。例えば、「映画館(movie theater)」という単語が浮かばなかったときは「I went to the movie theater.(私は映画館に行く)」ではなく「I watched a movie.(映画を見た)」に言い換えます。

簡単な単語で答える

スペルミスは減点されてしまいます。ライティングの見直しをする際に確認することはもちろんですが、スペルに不安がある場合には他の単語で言い換えることでミスを防ぎましょう。

ライティング完成後のチェック項目

ライティングの解答ができたら、以下の項目をチェックしましょう。

  • 理由を2つ答えられているか
  • 目安の語数に足りているか
  • スペル、時制、単数・複数が正しいか
  • 質問に対しての回答になっているか
  • 理由が意見・主張を支える内容になっているか
  • 意見・主張と理由からズレた内容が書かれていないか
  • 「忍者」「寿司」のような英語にはない固有の言葉などを使う場合に、単語の説明をしているか

産経オンライン英会話Plusで対策をしよう

オンライン英会話ではリスニングやスピーキングの能力を向上させることができますが、ライティングに関してもオンライン英会話を活用できます。オンライン英会話の授業が行われる前に、予習としてライティングの教材で勉強を進めておいて、授業の際に書いたものを講師に確認してもらうことができます。表現として適切かどうか、他の言い回しがあるかどうか等を知ることができるでしょう。

産経オンライン英会話Plusでは、家族でコインをシェアしてお得にレッスンを受講できます。英検対策の他、お子さんやご兄弟、ご両親など、あなたのご家族も一緒に楽しく英語を勉強してはいかがでしょうか。

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