外国人に「地震」を英語で説明する完全ガイド
2025年10月23日 1時41分

日本に住んでいる私たちは、「地震」による小さな揺れにはすっかり慣れています。まるで日常の一部といえるでしょう。
しかし世界に目を向けると、地震が非常に少ない、あるいはほとんど起こらない地域も数多くあります。そのため、「どのくらい怖いのか」「どう行動すればいいのか」をイメージできない外国人も少なくありません。
地震の話題になると、驚かれたり強い関心を持たれたりするのはそのためです。では、実際に外国人と話すときには、どんなやり取りがあるのでしょうか。
1. はじめに:地震を英語で説明できますか?
日本にいらした外国人と話していると、地震の話題は本当によく出てきます。
ちょっとした揺れを感じて、「これは地震なの?」と聞かれることもあれば、東日本大震災をはじめとした過去の日本の地震をご存知で、「日本は地震が多い国なんでしょう?」と話題にされることもあります。
実際、日本は世界有数の「地震大国」です。
ニュースでも “Japan is an earthquake-prone country.” と紹介されるほどです。
📘 本記事の目的
この記事では、
- 地震に関する英語表現
- 日本人の防災意識や地震との向き合い方
をご紹介します。
英語での伝え方を学んでおけば、緊急時に英語しかわからない外国人と一緒でも、落ち着いて情報を共有できます。
そして、「安全に備える力」を英語でも身につけることができるのです。
実際のレッスンで地震についての英語表現を練習してみませんか?
地震について実際のレッスンで話してみよう2. 「地震」は英語で何て言うの?

基本語彙
- earthquake:地震
- quake:地震(カジュアルな表現)
- aftershock:余震
- magnitude:マグニチュード(地震の規模)
- seismic intensity:震度(日本独自の揺れの強さ)
🔍「震度」と「マグニチュード」の違いを英語で説明
震度(Seismic Intensity)
the intensity of shaking at a specific location
→ある場所で感じる揺れの強さ
How strong the shaking is at a location.
マグニチュード(Magnitude)
the total energy released by an earthquake
→地震全体のエネルギーの大きさ
How powerful the earthquake is overall.
💬 例文
Japan experiences frequent earthquakes because it is located where the Earth’s plates meet.
日本は地球のプレートがぶつかる場所にあるため、地震がよく起こります。
The earthquake had a magnitude of 6.8, but the damage was minor.
地震のマグニチュードは6.8でしたが、被害は小さかったです。
Aftershocks are common after a major earthquake in Japan.
日本では大きな地震の後に余震がよく起こります。
The seismic intensity in Tokyo was measured at level 5 during the quake.
東京ではその地震の震度が5と測定されました。
Quakes of magnitude 7 or higher can cause serious damage.
マグニチュード7以上の地震は深刻な被害をもたらすことがあります。
地震に関する英語フレーズをネイティブ講師と一緒に練習しませんか?
地震について実際のレッスンで話してみよう3. 地震に関する英語表現と会話例

1) とっさに言う英語表現
地震を感じた瞬間に使える表現です。短く簡単に言えるフレーズが便利です。
2) 揺れが収まった後の会話例
揺れが収まったあと、安全確認や状況を伝えるときのフレーズです。
3) 地震速報・ニュースを英語で言い換える
テレビやアプリで流れる地震情報を英語で理解・伝える表現です。
地震の時以外にも、英語で説明したい
外国人によく聞かれる50の質問4. 外国人におすすめの防災アプリ(地震・津波・避難情報)

日本は地震だけでなく、津波や火山噴火などの自然災害も多い国です。
外国人にとって、英語で正確な情報を得られるアプリは、万が一の災害時に役立つだけでなく、日常の安心感にもつながります。
ここでは、外国人におすすめの防災アプリを3つご紹介します。
1. Safety tips(セーフティ・ティップス)|日本政府観光局(JNTO)監修
対応言語:英語、中国語(簡・繁)、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、タイ語など13言語
主な機能
- 地震・津波・火山などの警報通知:Sends alerts for earthquakes, tsunamis, and volcanoes
- 緊急時の行動ガイド:Shows emergency guides
- 避難所検索:Helps find evacuation shelters
- 多言語フレーズ集(医療、避難所、交通など):Provides a multilingual phrasebook (medical, shelter, transport)
特徴:観光庁監修で信頼性が高く、外国人旅行者に最も推奨されるアプリ。App Store / Google Play 両対応。
📌 英語紹介文の例:
The “Safety tips” app provides real-time alerts for earthquakes, tsunamis, and other disasters in Japan. It also includes emergency action guides and evacuation info in multiple languages.
「セーフティ・ティップス」アプリは、日本での地震、津波、その他の災害のリアルタイム通知を提供します。また、多言語での緊急時の行動ガイドや避難情報も含まれています。
2. Yurekuru Call(ゆれくるコール)
対応言語:英語(一部機能)
主な機能
- 緊急地震速報の受信:Receives Earthquake Early Warnings
- 震度予測と到達時間:Predicts seismic intensity and arrival time
- プッシュ通知:Sends push notifications
特徴:日本の気象庁の緊急地震速報をもとに、揺れが来る前に通知を送ってくれます。リアルタイムで「あと何秒で揺れが到達する」を知らせてくれるので、数秒の行動時間を確保できます。
📌 英語紹介文の例:
Yurekuru Call sends early warnings before an earthquake hits. It predicts how many seconds until the shaking arrives at your location, giving you time to prepare.
「ゆれくるコール」は地震が来る前に早期警告を送ります。あなたの場所に揺れが到達するまで何秒かを予測し、準備する時間を与えてくれます。
3. NHK WORLD-JAPAN(NHKワールド-ジャパン)
対応言語:英語(完全対応)
主な機能
- 災害情報を英語でライブ配信:Live broadcasts disaster information in English
- 地震・津波・台風・気象警報:Earthquake, tsunami, typhoon, and weather warnings
- ニュース記事と動画:News articles and videos
特徴:NHKが運営する英語ニュースアプリで、災害発生時には即座に英語での速報やライブ配信が始まります。地震だけでなく、台風や豪雨などの災害情報も網羅しています。
📌 英語紹介文の例:
NHK WORLD-JAPAN offers real-time disaster news and live broadcasts in English, covering earthquakes, tsunamis, typhoons, and more.
NHKワールド-ジャパンは、地震、津波、台風などをカバーする英語でのリアルタイム災害ニュースとライブ配信を提供します。
✨ まとめ
この3つのアプリは、どれも英語に対応しており、日本に滞在する外国人にとって非常に心強いツールです。特に、Safety tipsは多言語対応で防災情報が充実しているため、まず最初におすすめしたいアプリです。
緊急時に備えて、これらのアプリを事前にダウンロードしておくことを強くおすすめします。
5. 地震が起きたときの行動を英語で説明する

地震が起きたとき、日本人なら多くの人が「身を守る行動」を自然に取れますが、外国人はどうすればよいか戸惑うことがあります。ここでは、地震発生時の行動を英語で説明するためのフレーズと、具体的な指示を紹介します。
🔹 地震時の基本行動(Drop, Cover, and Hold On)
国際的に推奨される地震時の基本行動「Drop, Cover, and Hold On」を説明します。
Drop
Drop down to your hands and knees.
手と膝をついて低い姿勢に
Cover
Cover your head and neck under a sturdy table or desk.
丈夫なテーブルや机の下で頭と首を守る
Hold On
Hold on to your shelter until the shaking stops.
揺れが止まるまでしっかりつかまる
💡 説明のポイント:この3つの動作は世界的に認識されている地震時の行動です。シンプルで覚えやすいため、外国人にも伝わりやすいフレーズです。
🏠 場所別の地震時対応
🏢 屋内(室内・オフィス・学校)にいるとき
Stay inside and find a safe spot under a table or desk.
屋内にとどまり、テーブルや机の下に避難してください。
Stay away from windows, mirrors, and anything that might fall.
窓、鏡、落下する可能性のあるものから離れてください。
Do not use elevators. Use the stairs when evacuating.
エレベーターは使わないでください。避難する際は階段を使ってください。
🚶 屋外(路上・公園)にいるとき
Move away from buildings, power lines, and trees.
建物、電線、木から離れてください。
Find an open space and protect your head with your hands or a bag.
開けた場所を見つけて、手やバッグで頭を守ってください。
Watch out for falling objects like glass or signs.
ガラスや看板などの落下物に注意してください。
🚗 車を運転中のとき
Slowly pull over to a safe place and stop the car.
ゆっくりと安全な場所に車を寄せて停車してください。
Turn off the engine and stay inside the car until the shaking stops.
エンジンを切り、揺れが止まるまで車内にとどまってください。
Avoid stopping near bridges, overpasses, or under power lines.
橋、高架、電線の下には停車しないでください。
🏖️ 海岸にいるとき
If you feel strong shaking near the coast, move to higher ground immediately.
海岸付近で強い揺れを感じたら、すぐに高台に避難してください。
A tsunami may come after an earthquake. Don’t return until it’s safe.
地震の後に津波が来る可能性があります。安全になるまで戻らないでください。
💡 ポイント
- 「Stay calm(落ち着いて)」を最初に伝えることが重要です。パニックにならないよう安心させます。
- 「Do not use elevators(エレベーターを使わない)」は必須の指示です。停電や閉じ込めのリスクがあるためです。
- 海岸では、「津波の可能性」を必ず伝え、高台への避難を促します。
6. 地震に関するQ&A:外国人からよく聞かれる質問

外国人と地震について話すとき、よく聞かれる質問があります。ここでは、代表的なQ&Aを英語と日本語でご紹介します。
Q: How often do earthquakes happen in Japan?
日本ではどのくらいの頻度で地震が起きますか?
A: Japan experiences thousands of small earthquakes every year. Most of them are too weak to feel. However, moderate or strong earthquakes that people can feel happen several times a month.
日本では毎年数千回の小さな地震が発生しています。ほとんどは感じないほど弱いものです。しかし、人々が感じる中規模または強い地震は月に数回起こります。
Q: Are Japanese buildings safe during earthquakes?
日本の建物は地震の時に安全ですか?
A: Yes. Japan has very strict building codes. Most modern buildings are designed to withstand strong earthquakes. Older buildings have also been reinforced to meet safety standards.
はい。日本には非常に厳しい建築基準があります。ほとんどの現代的な建物は強い地震に耐えられるように設計されています。古い建物も安全基準を満たすように補強されています。
Q: What should I do if I feel an earthquake?
地震を感じたらどうすればいいですか?
A: If you’re indoors, get under a sturdy table or desk and protect your head. Stay away from windows and heavy furniture. If you’re outdoors, move to an open area away from buildings and power lines. Stay calm and wait for the shaking to stop.
屋内にいる場合は、丈夫なテーブルや机の下に入り、頭を守ってください。窓や重い家具から離れてください。屋外にいる場合は、建物や電線から離れた開けた場所に移動してください。落ち着いて揺れが止まるのを待ちましょう。
Q: Can earthquakes be predicted?
地震は予測できますか?
A: No, we cannot predict exactly when or where an earthquake will occur. However, Japan has an early warning system that detects earthquakes and sends alerts a few seconds before strong shaking arrives. This gives people a short time to prepare.
いいえ、地震がいつどこで起こるかを正確に予測することはできません。しかし、日本には地震を検知し、強い揺れが到達する数秒前に警報を送る早期警報システムがあります。これにより、人々は短い時間ですが準備することができます。
Q: What is the difference between magnitude and seismic intensity?
マグニチュードと震度の違いは何ですか?
A: Magnitude measures the total energy released by an earthquake. It’s the same everywhere. Seismic intensity measures how strong the shaking is at a specific location. It can vary depending on distance from the epicenter.
マグニチュードは地震が放出する総エネルギーを測定します。どこでも同じです。震度は特定の場所での揺れの強さを測定します。震源からの距離によって異なる場合があります。
Q: Should I be worried about earthquakes while visiting Japan?
日本を訪問中、地震を心配すべきですか?
A: While earthquakes do occur in Japan, most are small and cause no damage. Japan is very well-prepared with strict building codes, early warning systems, and public education. Just be aware of safety procedures, and you’ll be fine.
日本では地震が発生しますが、ほとんどは小さく被害はありません。日本は厳しい建築基準、早期警報システム、公衆教育によって非常によく備えています。安全手順を理解していれば大丈夫です。
7. 日本の過去の大地震を英語で紹介する

外国人に日本の地震について話す際、過去の大きな地震について聞かれることがあります。歴史的な地震を英語で紹介できると、日本の防災意識や備えの重要性がより伝わります。
🗾 The Great East Japan Earthquake(東日本大震災) – 2011年
The Great East Japan Earthquake occurred on March 11, 2011. It had a magnitude of 9.0, making it one of the most powerful earthquakes ever recorded. The earthquake triggered a massive tsunami that devastated coastal areas in northeastern Japan. It also caused the Fukushima Daiichi nuclear disaster.
東日本大震災は2011年3月11日に発生しました。マグニチュード9.0で、これまで記録された中で最も強力な地震の一つです。地震は巨大な津波を引き起こし、日本東北部の沿岸地域を壊滅させました。また、福島第一原子力発電所の事故も引き起こしました。
重要な表現:
- devastating tsunami(壊滅的な津波)
- coastal areas(沿岸地域)
- nuclear disaster(原子力災害)
🏢 The Great Hanshin-Awaji Earthquake(阪神・淡路大震災) – 1995年
The Great Hanshin-Awaji Earthquake struck on January 17, 1995, with a magnitude of 7.3. It caused severe damage to Kobe and surrounding areas. Many buildings and highways collapsed, and thousands of people lost their lives. This earthquake led to major improvements in Japan’s earthquake preparedness and building codes.
阪神・淡路大震災は1995年1月17日にマグニチュード7.3で発生しました。神戸とその周辺地域に深刻な被害をもたらしました。多くの建物や高速道路が倒壊し、数千人が命を落としました。この地震は日本の地震対策と建築基準の大幅な改善につながりました。
重要な表現:
- severe damage(深刻な被害)
- collapsed(倒壊した)
- earthquake preparedness(地震への備え)
🗼 The Great Kanto Earthquake(関東大震災) – 1923年
The Great Kanto Earthquake occurred on September 1, 1923, with a magnitude of 7.9. It struck the Tokyo and Yokohama areas and caused widespread destruction. Fires broke out across the city, causing even more damage than the earthquake itself. It remains one of the deadliest natural disasters in Japanese history.
関東大震災は1923年9月1日にマグニチュード7.9で発生しました。東京と横浜地域を襲い、広範囲にわたる破壊を引き起こしました。市内で火災が発生し、地震そのものよりもさらに多くの被害をもたらしました。日本史上最も致命的な自然災害の一つです。
重要な表現:
- widespread destruction(広範囲にわたる破壊)
- fires broke out(火災が発生した)
- deadliest natural disasters(最も致命的な自然災害)
💡 過去の地震を話す際のポイント
- 地震の規模(magnitude)と被害の内容を簡潔に伝えます。
- その地震がどのように日本の防災意識や制度を変えたかを説明すると、日本の防災への取り組みが伝わります。
- センシティブな話題なので、敬意を持って説明することが大切です。
8. 避難案内・掲示・アナウンスで使える英語表現

施設やオフィスで外国人を避難誘導する場合、掲示やアナウンスで使える英語表現を知っておくと役立ちます。
緊急アナウンス例
Attention, please. An earthquake has occurred. Please remain calm and follow the staff’s instructions.
お知らせします。地震が発生しました。落ち着いて、スタッフの指示に従ってください。
Please evacuate to the nearest emergency exit in an orderly manner. Do not run.
秩序正しく最寄りの非常口まで避難してください。走らないでください。
In case of an earthquake, please evacuate calmly to the nearest exit. Do not use elevators.
地震が発生した場合は、落ち着いて最寄りの出口まで避難してください。エレベーターは使用しないでください。
🔑 避難案内・掲示・アナウンスのフレーズ例
💡 ポイント
- 放送は「指示→行動」の順で伝え、まず落ち着かせることが重要です。
- 掲示やサインでは、矢印や色で避難経路を示します。
- 現場のスタッフの指示が最優先です。アナウンスだけで判断せず、誘導に従うように促します。
9. 英語で使える地震関連の単語・フレーズ帳

先に紹介した基本語彙に加え、さらに使える単語・フレーズをまとめました。
📚 単語
💬 フレーズ/便利表現
The shaking was strong but brief.
揺れは強かったですが、短時間でした。
We may have aftershocks.
余震があるかもしれません。
This building is earthquake-resistant.
この建物は耐震構造です。
Do you have an emergency kit?
防災キットは持っていますか?
Do you know where the evacuation shelter is?
避難所の場所はわかりますか?
Let’s evacuate to a safe place.
安全な場所に避難しましょう。
🔊 発音の注意点
💡 ワンポイント解説
- quake は「地震」をカジュアルに表す単語です。
- shaking は体で感じる揺れ全般を指し、口語的・一般的です。tremor は小さい揺れを表し、科学的なニュアンスもあります。
- 日本特有の「震度」は seismic intensity で説明できます。海外では通常、地震の規模を表すのに magnitude が使われます。
10. まとめ:地震について英語で話せると、もっと安心&信頼される

外国人にとって「頼れる存在」に
日本を訪問する外国人にとって、地震は大きな不安要素のひとつです。地震がどのようなものか、どのように備え、どう行動すればよいかを英語でわかりやすく説明できる人がそばにいれば、異国での「頼れる存在」として安心感と信頼を与えることができます。
英語学習と防災の一石二鳥
地震に関する英語表現を身につけることは、防災意識を高めることにもつながります。緊急時の安全行動や必要なフレーズを学ぶことで、自分自身の備えにも直結し、学習と防災の両方の効果を得られます。
日本ならではの価値
地震の多い日本だからこそ伝えられる知識があります。英語で「安全を共有する力」を高めることで、日本人と外国人がともに安心できる環境を作ることができます。
最後に
地震に関する英語力は、単なる言語スキルではなく、「安全を守る力」です。知識と表現力を備えることで、あなた自身も周囲も守ることができるのです。