CASECとは?試験概要や難易度、スコアアップ対策法を解説

CASECとは?試験概要や難易度、スコアアップ対策法を解説

CASECとは、オンラインで受験できるスコア型の英語試験のことで、リーディングとリスニングの2つの技能を測ります。インターネット上で申し込めばすぐに受験でき、試験後すぐに結果を得ることができます。今日明日で自分の英語力を把握したいときにCASECを活用していきましょう。

CASECとは

CASEC(キャセック)とは「Computerized Assessment System for English Communication」の略で、JIEM(株式会社教育測定研究所)が開発・運営を行う英語の検定試験のことです。受験者全員に同じ問題が出されるのではなく、個人の能力に合わせて出される問題が変わる、アダプティブ(適応型)なテストとなっています。CASECの公式ホームページでは、このテスト方式が視力測定に似ていると説明されています。視力測定では一番サイズが大きい図形を答えることができたら徐々にサイズの小さいものへと移っていきますが、それと同じように問題に対して正解したか不正解かによって次に出題する問題のレベルが変わります。正解すればそれよりも少し難しい問題、不正解なら少し易しい問題となり、複数の問題に答えていくことで、英語力が測定されます。

CASECの受験者数の推移は?知名度が高くなりつつある英語試験

CASECは2001年に本格展開し、そこから受験者数は右肩上がりとなっています。毎年20万人近くもの方がCASECを受験しています。

国内企業でも採用しているところは多く、人事担当者の中でも名の知れた英語検定試験となっています。そのため、就職や転職のときなどにはCASECのスコアがあれば(あるいは受験してスコアを取得し)、履歴書に記載しましょう。また、就職や転職などの採用以外にも、社内英語研修の効果測定ツールとして、あるいは人事考課の基準の1つとして、社内留学・研修対象者の選抜試験として活用されています。

スコアの有効期限について

CASECを受験して取得したスコアには他の英語検定試験と同様に有効期限があり、2年間がスコアの有効期限となります。例えば、2020年4月1日に受験した場合には、そのスコアを使えるのは2022年の3月31日までとなります。スコアレポートに、スコアの有効期限が掲載されますので、履歴書などに使う際には良く確認しておきましょう。なお、CASECのホームページからマイページにログインすると過去のスコアや受験履歴などを見ることができますが、そのマイページにて無料でスコア履歴ができるのは4年間です。つまり、有効期限を超えていても、マイページにログインすればスコアの履歴は4年間分までなら確認することは可能です。

試験会場や実施スケジュールについて

CASECは個人でインターネットを通じて受験する試験となっており、CASECには決められた試験会場や実施スケジュールはありません。そのため、インターネットとCASECの受験に必要な環境(パソコンの動作環境)さえあれば、いつでもどこでも受験ができるのです。また、時間に関しても決まりはありません。24時間365日いつでもオンラインで受験できるのがCASECのメリットです。

試験の申込み方法について

試験の申込み方法は2種類あり、支払い方法をクレジットカード支払いにするかコンビニ支払いにするかによって変わります。

クレジットカード支払いの場合

■クレジットカード支払いの場合の申込み手順

  1. CASECに登録する(初回利用の方)
  2. マイページにログインする
  3. チケット購入ページで必要な情報を入力
  4. 決済が完了するとCASECチケット(受験資格)を得られます

クレジットカードの場合には、CASECのマイページから手軽に素早く手続きが行えます。上記に紹介した手順でCASECチケットを手に入れたら、その後すぐに受験ができるようになります。なお、使用できるクレジットカードはVisa / Mastercard / JCBです。
今すぐ申し込む場合にはこちらの「CASECの申込み(クレジットカード支払いの場合)」をご確認ください。

コンビニ支払いの場合

■コンビニ支払いの場合の申込み手順

  1. インターネットでコンビニ支払い用の申込みページにアクセス
  2. 必要情報を入力して番号を入手
  3. コンビニにあるマルチメディア情報端末(ローソンのLoppiやファミリーマートのFamiポート、セブンイレブンのマルチコピー機等)を操作して番号を入力
  4. マルチメディア情報端末から払込用紙を印刷
  5. 払込用紙をレジで出して代金を支払う
  6. 支払い後1日以内に登録したメールアドレスにCASECチケットキーが届く
  7. マイページでCASECチケットキーを入力してチケットを追加する

上記の手順でチケットを追加できたら、いつでもCASECの受験が可能になります。
今すぐ申し込む場合にはこちらの「CASECの申込み(コンビニ支払いの場合)」からご確認ください。

受験に必要な準備について

CASECの受験ではインターネットを使いますので、快適な通信環境が必要となる他、パソコンに関しても一定の環境が必要となります。タブレット端末には対応していませんので、必ずデスクトップパソコン、もしくはノートパソコンを準備してください。具体的な条件としては以下があります。なお、ブラウザの動作に影響を与えるアドオンを組み込んだ場合の動作は保証していませんのでご注意ください。

OS ブラウザ その他の機能
Windows 8.1 / 10 Internet Explorer 11 JavaScript オン
cookie オン
Google Chrome
Microsoft Edge20以降(Windows 10)
Macintosh OS 10.9以降 Safari 7.0以降
Google Chrome

これを見て自分のパソコンが適しているか分からない方はこちらの「CASECの受験環境チェック」からご確認ください。

また、受験する場所に関しても注意が必要です。リスニングセクションがありますので、周囲の音が気にならない静かな場所で行いましょう。解答に支障がないようならイヤフォンやヘッドフォンなどを使用しても構いません。

CASECはテスト形式や操作方法に慣れるため、体験版のCASECガイドツアーがあります。まだ試していない方はこちらの「CASECガイドツアー」から行ってみてください。

受験費用について

気になる受験費用ですが、消費税(10%)込みで3,667円です。TOEIC等と比較すると、受験費用は安価に設定されています(以下の表をご参照ください)。費用面や受験の手軽さを考えると、他の試験と比べてCASECは受けやすい英語試験と言えるでしょう。

試験の種類 CASEC TOEIC®L&R TEST TOEIC® S&W TESTS
受験費用(10%税込) 3,667円 7,810円 10,450円

試験時間について

試験時間は各セクションにつき、1問につき60秒などと上限時間が決められています。セクション1(リーディング)では1問60秒、セクション2(リーディング)は1問90秒、セクション3(リスニング)は1問60秒、セクション4(リスニング)は1問120秒となっています。

ただし、受験する際には個人のペースで進めていくことになりますので、試験にかかる時間は受験者ごとに異なります。目安としては約40~50分を目安にしておくと良いでしょう。

出題される問題について

CASECの問題はセクション1~4に分かれ、リーディングとリスニングが行われます。問題内容や問題数などに関しては表にまとめましたのでご覧ください。

カテゴリ 問題内容 問題数 解答時間/問 解答形式 配点
セクション1
(リーディング)
語彙の知識 16問 60秒 4肢択一 250点
セクション2
(リーディング)
表現の知識 16問 90秒 4肢択一 250点
セクション3
(リスニング)
大意把握力 17問 60秒 4肢択一 250点
セクション4
(リスニング)
聞き取り能力 11問 120秒 ディクテーション(書き取り) 250点

CASECの難易度はどのくらい?

英語の試験にはCASECの他にも、TOEICやTOEFL、英検など様々な民間の資格試験・検定試験があります。試験ごとの難易度によって受けるべき英語試験を検討しましょう。それではCASECがどのくらいの難易度なのでしょうか?難易度を知る方法として、2つご紹介します。

CEFR(セファール)を使ってCASECの難易度を知る

CASECには、セクションごとのスコアとCEFRレベルが対応づけられています。CEFRとは英語力の共通規格のことで、他の英語系試験と比べたときの位置づけを知ることができます。以下2つの表を見比べると、CASECのテストの難易度を知ることができるでしょう。

■CASECのセクションごとのスコアとCEFRレベルの対照表

CEFR セクション1のスコア セクション2のスコア セクション3のスコア
B2以上 195 ~ 250 225 ~ 250 225 ~ 250
B1 145 ~ 194 165 ~ 224 200 ~ 224
A2 75 ~ 144 85 ~ 164 145 ~ 199
A1以下 0 ~ 74 0 ~ 84 0 ~ 144

※セクション4は問題の形式上、CEFRとの対応が不可能となります。

■その他の英語試験のスコア・級とCEFRレベルの対照表

CEFRケンブリッジ英語検定英検®
(1級~3級)
GTECⓇ
(Advanced / Basic / Core / CBT)
IELTSTEAP®TEAP
CBT®
TOEFL iBT®TOEIC® L&R TEST /
TOEIC® S&W TEST
C2200~2308.5~9.0
C1180~1992,600~3,2991,350~1,4007.0~8.0375~40080095~1201,845~1,990
B2160~1792,300~2,5991,190~1,3495.5~6.5309~374600~79572~941,560~1,840
B1140~1591,950~2,299960~1,1894.0~5.0225~308420~59542~711,150~1,555
A2120~1391,700~1,949690~959135~224235~415625~1,145
A1100~1191,400~1,699270~689320~620

出典:文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表

TOEIC®L&R TESTのスコアとの対応表を使ってCASECの難易度を知る

CASECのスコアがTOEIC®L&R TESTのスコアのどのくらいに当たるのかについては目安となる対応表があります。これはCASECが作成した表で、2007年1月1日~2009年12月31日の受験者に対してアンケートを実施し、
過去のTOEIC® L&R TESTスコア(自己申告 /任意)とCASECの取得スコアを基にしています。CASECスコアが0、不自然なアンケート結果等に関しては除外して計測したものです。

TOEIC® L&R TESTのスコア 465 545 635 725 810 880 930 965 985 990
CASECのスコア 550 600 650 700 750 800 850 900 950 1000

手軽に今の英語力を調べたいときに活用しよう

受験費用を見ると分かるように、他の英語試験と比べると安価になっています。それにすぐに受験でき、結果を知ることができるため、今の自分の英語力がどのくらいあるのかを、手軽に把握することができる試験となっています。久しぶりに英語の勉強を始める方や、留学の前後で英語力がどのくらい伸びたか手軽に知りたい方はCASECを活用してみてはいかがでしょうか。

CASECの結果が書かれたスコアレポートには、他の英語試験を受けた場合に得られると推測できる対応表があります。TOEIC® L&R TESTとTOEFL iBT®のスコア、英検の級数が表示されますので、他の英語試験を受けるのであればこの数字を参考にしてみても良いでしょう。
また、先ほどもお伝えしたようにCASECではセクションごとに(セクション4を除く)CEFRのレベルが表示されます。他の英語試験との比較をしたいのであれば、そちらも合わせて参考にしてください。

就職や転職等で英語力をアピールしたいときに活用しよう

CASECの最大の魅力は、申し込んですぐに受験でき、すぐに結果を知ることができることです。さらに言えば、試験時間も約40~50分と短いので、申し込んでから結果を得られるまでの時間は数時間。他の検定は何ヶ月も前に申込みをして、試験後は採点期間を経て少なくとも数日後に受け取ることになります。もし就職や転職で急遽、英語力をアピールする必要があるとなったときに役立てることができるでしょう。

結果が書かれたスコアレポートには、今後の英語学習のアドバイスや他の受験者との比較など、面接官には見られたくない内容も書かれています。CASECでは、そうした情報を伏せた履歴書送付用のスコアレポートも作成されます。これらのスコアレポートは自宅のプリンターなどで印刷できるため、必要なときにすぐに準備することが可能です。

スコアは安易に履歴書に記載しない

履歴書にスコアを記載するかどうかには細心の注意が必要です。高いスコアを取得しているのなら迷いなく履歴書にスコアを書くべきですが、スコアが低い場合には面接官に英語力のなさを伝えてしまいます。履歴書に載せるかどうかは少し考える必要があるでしょう。どのくらいのスコアから記載すれば良いのかについては、その業界や職種によって異なります。面接官の立場になって考えたときに、書いたほうが良いのかどうか考えてみると良いでしょう。ちなみに、TOEIC® L&R TESTのスコア平均はおおよそ600点となっていますので、先述した対応表を参考にしてCASECのスコアが600~650点となります。希望する職業などにもよりますが、履歴書にスコアを記載するのであれば平均点は超えていたいところでしょう。

CASECのスコアを更に上げるためのコツや対策方法

焦らずに問題を解く

CASECのスコア算出方法は、他の英語の試験とは大きく異なります。多くのテストが問題に点数が配点されていて、1問1点のように正解した問題の配点と個数を基にスコアを出します。その一方で、CASECでは問題に難易度はあっても配点はありません。問題に正解すれば少し難易度の高い問題が、不正解なら少し易しい問題が出題されます。正答・誤答のパターンから、受験者が安定して正解できる難易度のラインを見極めてスコアが算出されます。解答ボタンを押した瞬間にミスに気づくこともあるかと思いますが、その際に慌てて次の問題もミスしてしまうと、スコアが伸び悩む原因となってしまいます。ミスに気づいたとき、簡単な問題が出題されたときでも焦れずに集中して解答することを心掛けましょう。

タイピングの練習もしておく

セクション1~3までは4肢択一式ですので、操作も簡単でクリックだけとなりますが、セクション4ではキーボードを使って解答を入力する必要があります。解答時間は1問120秒ですので十分に時間はありますが、それでもタイピングが苦手な方にとっては時間が短いと感じる方もいるでしょう。それに入力する内容が頭に浮かんでから打ち込んで「NEXT」ボタンを押さなくてはいけないので、考える時間はタイピングが得意な方と比べると少なくなってしまうでしょう。そのため、パソコンの操作に慣れていない方はタイピングの練習もしておきましょう。なお、タイピングに慣れている方も注意が必要です。普段は日本語を入力することが多いかと思いますが、試験で入力するのは英語です。英語を打ち込む練習もしておくと試験で有利になるでしょう。なお、CASECだけでなく他の英語の試験(CBT方式)の役にも立ちますので、これを機に練習してみてはいかがでしょうか。

リスニングの練習をする

リスニングの対策としては、英語を耳に慣れさせる必要があります。回数はもちろんのこと、声によって聞き取りやすい・聞き取りにくいものがありますから、様々な声に触れる必要があるでしょう。例えば、男性の声や女性の声、音域の高さ、話す速度など様々です。自分が聞き取りにくいと感じた種類の声は特に繰り返してリスニングの練習をしていきましょう。単語帳や問題集にはCDがついているものもありますので、そのCDを使う方法もある他、英会話レッスンを活用する方法があります。スクール英会話やオンライン英会話を活用すれば、様々な講師のレッスンを受けることができますので、様々な声を聞き取る練習ができます。これらの方法を上手くミックスさせながらリスニング対策をしてみてはいかがでしょうか。

英単語を学ぶ

英語は何より語彙力が大切です。難しすぎる単語までは覚える必要はないのですが、分からない単語が多いと、問題の理解に時間がかかってしまいます。通常分からない単語を見つけたら必要に応じて文脈から単語の意味を推測します。しかし、推測には時間がかかってしまいますから、あらかじめ覚えている単語数が多いとテストを有利に進めることができるでしょう。TOEICの単語帳などを購入し、その1冊を何度も反復して学習することで、多くの英単語を覚えていきましょう。

問題集・参考書を活用する

CASECは公式の問題集・参考書を出版していませんが、他の企業からはCASEC対策の問題集や参考書が販売されていますので、そちらを活用してください。それを学び、まずは問題傾向を把握し、対策を考えていきます。人によってはTOEIC L&Rに似ていると言う方がいます。CASECのセクション1はTOEIC L&RのPart5の短文穴埋め問題に、セクション2と4はPart2の応答問題、セクション3はPart3の会話問題に似ているとも言えます。そのため、TOEICの問題集や参考書を活用してCASECの勉強をする方もいます。
TOEICの教材ならこちらの「産経オンライン英会話のTOEICカリキュラム・教材」をぜひチェックしてみてください。

当記事ではCASECの概要や対策の方法についてお伝えしてきました。1時間程度で手軽に英語力を測ることのできるCASEC。これから英語を学ぼうとする方、就職・転職で急遽英語のスコアが必要になった方、留学の前後で英語力の成長を測りたい方には受けてほしい英語試験です。

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*L&R means LISTENING AND READING.
*S&W means SPEAKING AND WRITING.