英語のビジネスメールの書き方は?シーン別の例文やポイントも解説!
2025年01月16日 7時08分
外国企業などに宛てた英語のビジネスメールを書く際、普段とは異なるフォーマルな表現に馴染みがなく、送信前に「これで大丈夫だろうか」と悩んでしまう人も多いでしょう。メールの第一印象が悪ければ、取引の機会を失ってしまうかもしれません。
この記事では、メールで顧客や見込み客に好印象を与えられるビジネスメールの書き方について詳しく解説します。ビジネスにおいてありがちな場面で活用できる英語の例文や、ビジネスメールを書くときのポイントも解説しますので、参考にしてください。
目次
英語のビジネスメールの書き方
英語のビジネスメールを書く際、以下6つの項目を記載する必要があります。
✓件名
✓宛名
✓挨拶
✓用件
✓結び
✓差出人名
それぞれの項目の詳細と具体的な書き方について解説します。
件名の書き方
英文ビジネスメールの件名は、受信者にメールの目的を一目で伝える重要な要素です。具体的で簡潔な表現を心掛ければ、相手に内容がスムーズに伝わり、迅速な対応が期待できます。
たとえば、会議の設定を依頼する場合は、” Request for an appointment to discuss “ (テーマ)など、内容を明示することで相手の理解を促せます。件名に曖昧な表現を使うことは避け、簡潔な名詞やフレーズで締めくくると効果的です。
また、件名の長さや形式にも注意が必要です。短すぎる件名はスパムと誤認される可能性があるため、必要な情報を含めつつも、極端に短くならないようバランスを保ちましょう。
緊急の対応が求められる場合には “ Urgent ”や “ Priority “ などの単語を先頭に加えると、メールの優先度を明確に示せます。ただし、過度に使用すると言葉の重要性が薄れるため、本当に緊急性がある場面でのみ使用したほうが無難です。
また、件名は一般的に名詞で終わるのがよいとされています。” About “ や “ Regarding “ などの前置詞で始める表現は内容が曖昧に感じられるため、できるだけ避けましょう。
たとえば “ Inquiry about delivery schedule “ (配送スケジュールについての問い合わせ)や “ Quotation request for new product “ (新製品の明細書がほしい)など、名詞を使った具体的な表現で締めると、相手が内容を理解しやすくなります。
宛名の書き方
ビジネスメールの宛名は、相手との関係性や距離感に応じて適切に使い分けることが大切です。最もフォーマルな形式は「Dear Mr./Ms.+苗字」です。初めてのやり取りや役職が高い相手に送る際に適しており、ビジネスシーンでよく見られます。女性に対しては、結婚状況に関係なく「Ms.」を使うのが一般的です。
相手が不明な場合は、日本語の担当者様に該当する “ To whom it may concern “ や “ Dear Sir or Madam “ が用いられます。なお、すでに一定の信頼関係がある場合は「Dear + 名前」を使用しても問題ありません。
また、社内メールで複数の同僚に送る場合は “ Dear Colleagues “ が一般的ですが、特定の部署に送る場合は “ To the Marketing Manager “ など、役職や部署名を明記するのも効果的です。
カジュアルなやり取りでは “ Hi Ms. Smith “ や “ Hello Mr. Johnson “ など、よりフレンドリーな挨拶が好まれるケースもあります。状況に応じて使い分けましょう。
挨拶の書き方
英文ビジネスメールの冒頭では、相手との関係性に応じた適切な挨拶が必要です。初めてコンタクトを取る相手には、自己紹介を含めましょう。
たとえば “ My name is ○○ and I am with “ (会社名)と記載すれば、自分の立場を明確に伝えられます。以前に会ったことがある場合は “ It was a pleasure meeting you at “ (イベント名)と挨拶を交わすと効果的です。
挨拶は、相手との距離感を考慮して調整します。親しい間柄なら “ How have you been? “ や “ How is everything going? “ といったカジュアルな表現、フォーマルな場合には “ I hope you are doing well “ などの丁寧な言い回しが適しているでしょう。
ビジネスメールの挨拶には、相手の状況を気遣う表現を用いるケースも多く見受けられます。” I hope this message finds you well. “ や “ I hope you had a pleasant weekend. “ などのフレーズを使い、相手への配慮を示しましょう。
なお、日本語の「お疲れ様です」や「お世話になっております」といった定型表現は、英語にはありません。ビジネスシーンでは目的に応じた挨拶を速やかに行い、本題に早く移ることが求められます。
こちらの記事では、英語メールでの書き出しについて解説しています。書き出しの基本や書き出しで気を付けるポイントについても取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
用件の書き方
ビジネスメールでは、初めに要件を明確に伝える必要があります。メールを受け取った相手が、何についての連絡なのかをすぐに理解できるよう、冒頭で簡潔に目的を述べましょう。
たとえば “ I am writing regarding the delivery schedule. “ (納期についてのご連絡です)のように、シンプルで直線的な表現が効果的です。長い前置きや曖昧な表現を避け、相手が迷わずに本題に入れるよう配慮すると好印象を与えられます。
代理でメールを送る場合や特定の情報を伝える際は、簡潔な表現を使うと相手に負担をかけずに済みます。具体例を2つ紹介します。
“ I am writing on behalf of Mr. Suzuki. “(鈴木の代理でご連絡しています)
“ This is to inform you that we have received your payment. “(ご入金を確認いたしました)
結びの書き方
メールの締めの文章は、本文全体をまとめるだけでなく、相手に次のアクションを促す役割も果たします。したがって、決まり文句で終わるのではなく、返信を希望しているのか、スケジュール調整を求めているのかなど、メールの目的に応じた結び方を意識しましょう。
たとえば、以下の表現を活用すると、相手に何をしてほしいのかを明確に伝えられます。
“ I look forward to your response. “(ご返信をお待ちしております)
“ Please feel free to contact us if you have any questions. “(ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください)
また、結びの言葉には、相手に対する感謝の気持ちや敬意を表すことも大切です。” Thank you for your cooperation. “(ご協力ありがとうございます)や “ Thank you in advance. “(よろしくお願いいたします)のように、丁寧に締めると相手に対する礼儀を示せます。
こうした表現を適切に選ぶことで、相手との関係もより良好なものとなるでしょう。また、結びの部分では、相手に何らかのアクションを求める際に、強制的な表現を避けて柔らかいトーンでお願いすることが望ましいです。
たとえば “ We appreciate your prompt response. “(早急なご対応をいただければ幸いです)などと、記載するとよいでしょう。
結語の種類
結語は、メールの内容や相手との関係性によって適切なものを選ぶ必要があります。結語にはさまざまな種類があり、フォーマルな場面では “ Yours sincerely “ や “ Sincerely “ などが一般的に使用されます。初対面の相手や目上の人への敬意を示すのに適した表現です。
一方、ややフォーマルなシチュエーションでは “ Best regards “ や “ Kind regards “ がよく使われます。” Best regards “ は、ビジネスメールで最も一般的な結語のひとつで、相手との関係がある程度確立している場合に適しています。
“ Kind regards “ は “ Best regards “ より、やや丁寧な印象を与える表現です。ほかにも “ Thank you and Best regards. “ のように、感謝の意を含めた結び方も効果的です。
また、カジュアルなやり取りでは、よりフレンドリーな表現が使われるケースも少なくありません。” Take care “ や “ Thanks “ などが代表例です。親しい同僚や日常的にやり取りをしている相手に適しています。
差出人名の書き方
差出人名の書き方には、特定のルールがあります。日本語と異なり、英語では署名の順序が逆になり、個人名から始まり、役職や会社名、住所などが続きます。
たとえば “ Satoshi Suzuki “ (Mr.)のように、名前の後に性別を示す敬称を付け加えるなどです。日本人の名前は相手にとって性別がわかりづらい場合も考えられるため、上記の形式は便利です。また、役職や部署名は、明確に伝えるためにも必ず記載しましょう。
署名の具体的な構成は、以下のとおりです。
✓個人名
✓役職
✓部署名
✓会社名
✓住所
✓メールアドレスや電話番号
✓ホームページ等のURL
たとえば “ Satoshi Suzuki, Sales Manager, Overseas Sales Department, X Corporation “ といった具合で、各行にひとつずつ記載する形式が一般的です。
また、取引が多く親しい相手に対しては、このような詳細を省略して個人名だけのシンプルな署名も可能です。しかし、初めてメールを送る場合やフォーマルな場面では、詳細な署名を使って信頼性を高め、相手が正確に差出人を把握できるようにしたほうがよいでしょう。
こちらの記事では、英語メールの締めについて解説しています。場面に合わせた締めのフレーズや注意点についても取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
シーン別で使えるビジネスメール例文
実際の例文を以下のシーンごとに紹介します。
✓アポイントメントを依頼する
✓日程を調整する
✓依頼をする
✓告知をする
✓問い合わせをする
✓お礼をする
✓お詫びを伝える
✓報告する
✓苦情を送る
いずれもビジネスでよくある場面のため、各例文を確認し、活用できるようにしましょう。
アポイントメントを依頼するメール
アポイントメントを依頼する際のビジネスメールでは、件名と内容が重要です。件名には “ Meeting request “ や “ Proposal for a meeting “ など、相手にアポイントメントの内容が伝わりやすい表現を使います。
たとえば “ We would like to schedule a meeting to discuss our products in more detail. “ のように、訪問や打ち合わせの目的を明確に伝えると効果的です。
日程調整する場合のメール
ビジネスにおいて日程調整のメールを送る際は、相手の都合を尊重しつつ、スムーズなやりとりを心掛けることが大切です。具体例を以下に紹介します。
“ Please let us know a convenient date and time for us to have a meeting. “(会議に都合のよい日時をお知らせください)
“ Could you please let us know if any of the following dates work for you: 1st, 2nd or 3rd? “(以下の日付のいずれかでご都合がつくかお知らせいただけますでしょうか)
依頼をする場合のメール
ビジネスシーンでは、見積書を依頼する機会が多々あります。見積書は英語で “ Estimate “ や “ Quotation “ と表現されますが、微妙な意味の違いがあるため、注意が必要です。
“ Estimate “ は概算であり、後から金額が変更される可能性があります。一方で “ Quotation “ は、確定した金額を示すため、より正式な提案を指します。例文を2つ紹介します。
“ Could you send us a formal quote for air freight services? “(航空輸送サービスの正式なお見積りをご送付いただけますか?)
“ We would appreciate an estimate for transportation costs from New York to Paris. “ (ニューヨークからパリまでの輸送費についてのお見積りをお願いできると助かります。)
告知をする場合のメール
告知やお知らせのメールでは、内容に応じた適切な表現を選ぶことが大切です。よい知らせ・悪い知らせを伝える例文をそれぞれ紹介します。
“ We are pleased to announce that A Inc. has expanded its services to Europe. “ (A社がヨーロッパでのサービスを拡大したことをお知らせいたします。)
“ We regret to inform you that the upcoming conference in Sydney has been postponed. “ (シドニーで予定されていた次回の会議が延期されたことをお知らせいたします。)
問い合わせをする場合のメール
製品や納期に関する問い合わせをする際には、シンプルで明確な英語表現を使うことで、相手に意図が伝わりやすくなります。以下に例文を記載しますので、参考にしてください。
“ We would like to ask about the availability of your latest software. “(貴社の最新ソフトウェアの在庫状況についてお伺いしたいです。)
“ Could you provide us with the specifications for the new Alpha model? “(新しいアルファモデルの仕様書をいただくことは可能でしょうか。)
お礼をする場合のメール
返信に対する感謝や製品購入へのお礼など、それぞれの場面に応じた表現を使い分けるのがポイントです。お礼の例文を2つ紹介します。
“ Thank you for choosing Smith & Co. for your recent purchase. “(スミス社の製品をご利用いただき、ありがとうございます。)
“ We greatly appreciate your assistance with the Johnson project. “(ジョンソンプロジェクトへのご協力に心より感謝いたします。)
お詫びを伝える場合のメール
返信の遅延や納期の遅れなど、相手に迷惑をかけた際は誠実さを伝えられる表現を心がけましょう。謝罪の際は、カジュアルな表現や省略形は避け、以下のようにフォーマルな言い回しを用いるのが望ましいです。
“ We sincerely apologize for the delay in shipping your order. “(ご注文の発送が遅れたことを心よりお詫び申し上げます。)
“ We regret any inconvenience caused and are taking steps to resolve the issue. “(ご迷惑をおかけし申し訳ございません。問題解決に向けて取り組んでおります。)
報告する場合のメール
報告の際は、要点を整理して具体的で簡潔な表現を用いることが重要です。例文を2つ紹介しますので、ご覧ください。
“ Please find below the latest update on the Green Energy Project. “(以下にグリーンエネルギープロジェクトの最新進捗をご報告いたします。)
“ Here is a brief summary of the current status for Q2. “(第2四半期の現状を簡潔にまとめました。)
苦情を送る場合のメール
ビジネスで苦情やクレームを伝える際は、冷静に、そして丁寧に書くことが求められます。また、相手に対して失礼な印象を与えないようにするのもポイントです。これらのポイントを踏まえた例文は、以下のとおりです。
“ I regret to inform you that the recent shipment did not meet our expectations. “(最近の出荷品が我々の期待に沿わなかったことをお知らせいたします。)
“ We kindly request a replacement for the defective items. “(不良品の交換をお願いしたく存じます。)
英語でビジネスメールを書く際のポイント
英語でビジネスメールを書く際は、以下4つのポイントを押さえておきましょう。
簡潔で明瞭にする
シンプルで読みやすい英文を意識する
TPOに合わせた表現にする
曖昧な表現を避ける
それぞれのポイントについて解説します。
簡潔で明瞭にする
ビジネスメールでは、簡潔で明瞭な表現が好まれます。なかでも件名は、メールの内容を一目で伝える役割を果たすため、とくに重要です。
たとえば “ Update: Shipping Delay “(配送遅延に関する更新)といった短く要点を押さえた件名は、受信者にとって理解しやすく、スムーズに対応してもらえるでしょう。
シンプルで読みやすい英文を意識する
ビジネスメールでは、シンプルで理解しやすい英文を心がけることもポイントです。実際、英語では日本語以上にシンプルで直接的な表現が好まれる傾向があります。
つまり、複雑な文法や専門用語を多用すると、意図が伝わりづらくなる可能性があるのです。可能であれば、中学レベルの基本的な文法と語彙でメールを書くとよいでしょう。
TPOに合わせた表現にする
ビジネスメールを書く際には、TPO(時間・場所・場面)を踏まえて、適切な表現を選ぶことが大切です。たとえば、相手が他社の重役やフォーマルな場面であれば「Dear Mr. ~」といった形式的な宛名や “ Sincerely, “ などの結びの言葉を使うのが適切です。
相手に合った言葉を選ぶだけで、ビジネスのやり取りがスムーズになり、良好な関係を築けるでしょう。
曖昧な表現を避ける
ビジネスメールでは、曖昧な表現を避けて明確な指示や依頼を心がけることもポイントのひとつです。たとえば、日本語でよく使われる「できるだけ早く」などの伝え方では、要望どおりに対応してもらえない可能性があります。
英語圏では、相手に対する気遣いより合理性と明確さが重視されます。そのため “ as soon as possible “ といった曖昧な言い回しではなく、具体的な期限を示したほうがよいでしょう。
たとえば “ Please send the report by 5 p.m. on Friday. “(金曜日の午後5時までに報告書を送ってください。)と伝えれば、相手は何を何時まで完了させるべきなのかを明確に判断できます。
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まとめ
ビジネスメールを作成する際、適切な表現で記載できないと、相手に悪い印象を与え、取引のチャンスを逃してしまうことになりかねません。都度最適な表現を用いつつ、内容を簡潔かつ明確に伝える意識を持てば、相手に好印象を与えられるでしょう。
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